つゆだく百合えっち丼 (1)

疲れた体を引っ張って松屋に着く。傘を閉じて傘立てに置く。午前一杯自習して疲れた。コーシーシュワルツの不等式ってなんだったっけ。小銭を入れて、迷いもせず券売機のボタンを押す。いつもの百合えっち丼(大)とトッピングのさっぱり。お釣りを拾い、食券を店員さんにわたす。

「百合えっち丼をひとつさっぱり、つゆだくで」

「あ、あすいません、も一回」

「さっぱりつゆだく百合えっち丼一つ!」

「ちわっす。」

僕は席について携帯をいじる。タイムラインを3度引き下げて「つゆだく百合えっち丼食べたい」とつぶやいたところで、注文していた丼が来た。

おまたせ、いつもの、こころの救い。写真を撮ってツイッターにアップする「つゆだく百合えっち丼最高」

どんぶりの中では二人の女の子が寝転び抱き合っている。尊い以外の言葉がない。暑くても互いの存在を感じたいと女の子たちは互いの手をしっかり繋いでいる。えっちだ。さっぱり仕様のため扇風機の風が吹いていて、ご飯はぬるいピータイルの温度だ。僕は二人に息を吹きかける。片方の子が目を擦る。起こしてはいけない。箸でつまんで小皿に二人を取り分ける。すやすや眠る二人を見つめながら、僕はご飯を掻き込んで行く。汗がしっかり染み込んでうまい。やっぱり、松屋の百合えっち丼が一番おいしい。コスパよし。リツイートで見たのだが、昔は牛丼なんてものがあったらしい。死んだ動物をご飯の上に乗せるなんておかしな風習だ。ごちそうさまでした、と僕は言って丼と小皿を返却して店を出る。傘を開きながら、二人のハグを思い出して悦に浸る。

あー次の模試日曜かよ、だるいな。